小学校高学年と中学生の子どもがいます。
中学の息子は小さいころから本の虫で、中学生に入ると私が読んでいる本を同じように読むようになりました。
一方、小学生の娘は小さい頃は自分で本を読むのが苦手。
4年生くらいでようやく読書の楽しみがわかるようになり、今では毎日何かしら読んでいます。
ただ娘はザッと本を斜め読みするタイプ。
早く、たくさん読めばイイと思っている節があります。
なので、内容が頭に入っていない。
漫画も同じ。
ストーリーを楽しむというより、面白いところだけ飛ばし読みしています。
そんな娘が最近私の本を読むようになりました。
今思えばきっかけは、おそらく私が上橋菜緒子さんの『守り人シリーズ』を読み、面白かったので娘にすすめたことが発端だったと思います。
上橋さんの『守り人シリーズ』は児童書ですが、大人にも大変人気があってNHKで実写化されたほどでした。(主役はまさかの綾瀬はるかさん)
なので娘にすすめるにはちょうど良い本でした。
実際、いつもは可愛らしい挿絵がないと読まない娘がどんどん話に引き込まれ、全14巻を読み終えました。
ただ1日に3冊ほど読んでいたので、ちゃんと読んでいるとは思えず。(登場人物も国名も外国風でややこしい)
それでも何度も読み返したりしていたので、実際面白かったんだと思います。
読み飛ばしながらでも『守り人シリーズ』のような良質なファンタジーを娘も楽しめる年頃になってきたんだなぁ、と好ましく思っていた私ですが、ここからが問題でした。
彼女の中で「私も大人が読むような本が読める」という自信がついたようで、次々に私の本を読んでいくんです。
最近では、深町秋生さんの『猫に知られるなかれ』。
元スパイが戦後に設立された諜報機関「CAT」にスカウトされ、様々な活動をするお話なんですが、その本を小6の娘が黙々と読んでいる。
「えっ?GHQってわかる?」
「吉田茂知ってる?」
とか色いろ思うわけですよ。
あと村田紗耶香さんの『消滅世界』。
これは私がなにげにタイトルが面白そうで手に取っただけで内容は知らなかったんですが、モロ男女の性的なお話が出てくる。
私より娘が先に読みだし、あとで読んだ私は大あわて。(笑)
娘が学校へ行っている間に撤去しました。
今は馳星周さんの『蒼き山嶺』。
めちゃくちゃ面白いけど、娘は「ビバーク」とか「ピッケル」とかわかるのか?
熱心に読んでいる姿を横目でチラチラ見つつ、そんなことを思うのです。
本当は「これは大人が読むような本だから違う本を読んだら」と言いたい。
「わからない言葉がいっぱい出てくるから、難しすぎるんじゃない?」と言いたい。
それでも斜め読みでも、自分の興味のあるところだけでも「読んでみたい」と思う気持ちは素晴らしいワケで、そのまま私の本を好きに読ませています。
そういえば昔、私も名作と言われるような本を背伸びして読んでいました。
ヘッセの『車輪の下』なんて何のことかサッパリわからなかったし、漱石の『こころ』も暗い話で嫌だなぁ、としか思わなった。
わかってもわからなくても、目で文字をおい、ページをめくる。
それがそのうち、パッと何かが開けるときがくる。
私だって未だによくわからない本があるし、知らないことや読めない漢字だってあるけどお構いなしに読んでる。
なので、大人が読む本を「内容がまだわからないから」と読むのをやめさせない。
読む気が失せるようなことは何一つ言わず、黙って好きに読ませる。
それが読書欲を失わせない大切なことじゃないかな、と思っています。
ただリビングの本棚に置く本は、よく考えないといけないなぁと思うようになりました。
まさか島田荘司さんの本や谷崎潤一郎さんの本などは、いくら面白いといってもさすがに置けない。
娘はもうすぐ中学生。
少しずつ大人に近づきつつあるんだな、と思う今日この頃です。
ゆうゆうでした。